memo
ばとんぬ&ちょっとしたSS 2
ほいで、数日前に言ってた辛気臭いSS…。書いてたんだけど、何だか原作と辻褄が合わなくなったので(大汗)アンソロ候補にするのを止めてここに|д゚)コソーリUP…。や、こんな感じもアリかなとか…思ったり…。だって~。だってさああああ!!あの別れは悲しすぎるじゃん!!救いがあって欲しかった訳ですよ。
てな訳で…おかしい文章や内容なのは今更ですが…;それを大きな心で許容出来る方だけ『つづきはこちら』からコソーリとご覧下さい…。因みに下敷きにしたのは某ケミス鳥の某曲です…。
■拍手返事■
25日
AOYGさん!:
UPさして貰っちゃったよーん!本当にありがとうございますた!!わんこっこ!可愛いよわんこっこ!てか鎖をもっと前面に押し出して写メっても良かったんだけどね…(・∀・)ニヤニヤ「AOYGさんから鎖貰いましたやはり!」とか言って…(←悪)。てかブログ修正って…私真実しか書いてない!!真実はいつも一つ!!でもそんな青柳さんがほんと大好きなんだ…!!大丈夫だよ、SだろうがMだろうが、青柳さんは青柳さんじゃないか!!(←謝罪にも慰めにもなっていないという事実)でもこれからはM扱いは出来るだけ、出 来 る だ け自粛してあげる~(笑)。コメありがとうございますたー!!また遊んでねーん!!
その他拍手を下さった方々、どうもありがとうございましたー!
全ての忌まわしい束縛から解き放たれたその身体は酷く軽い。それはまるで羽根の様に。
死とは、こう言う事なのか。
アンジールは、劣化の末に朽ち果てた己の以前の魂の器を、不思議な、しかしとても安らいだ心地でその眼下に見ていた。
そして、その傍にただ一人佇む、『彼』の姿も。
(アンジール…っ!誇りはどうした―っ!!?)
最期のその時までただひたすらに、その望まぬ剣を振るい続けた『彼』。
泣き顔など、今まで一度も見せた事の無かった『彼』が、己の亡骸のその傍で、ただただ、天を仰ぎつつ、声を殺して泣いていた。
止め処なく流れる涙の雫は、降り注ぐ雨粒に紛れる様に、彼の頬を濡らし続ける。
やはり俺は、お前に取り返しのつかない現実を押し付けてしまったのだな。
お前に、そんな顔をさせてしまうと言う事は。
アンジールは音も無く再び地上に降り立つと、ザックスの涙を拭おうとその手を伸ばす。しかし、
「―ああ、そうか」
輪郭を失い始めたその掌。
それを見つめつつ、アンジールは苦笑した。
もう俺は、お前に触れる事の出来ない存在になっていたのだったな。
■Thank you. ■
(―俺、ザックス!これから宜しくな!)
俺達は、そんな、数年前の何気ない出逢いから始まった。
「―覚えているか、ザックス」
あの頃は、こんな別れが来る事など、お互い何も知らずに生きていたよな。
アンジールはふと、そう遠くはない筈の過去に思いを馳せ、そっと静かに微笑んだ。
(今度の任務から一緒に出れるんだってさ、俺!)
こいつとの初めての任務。そう気楽な任務ではなかった筈なのだが、何故か酷く喜んでいたのを覚えている。
(あんたってさ…、いつもそんなクソ真面目で疲れない?)
お前こそ、能天気に過ぎるのだ、と売り言葉に買い言葉で、下らない喧嘩をした事もあった。しかし、
(あ~、腹へった!何か食いに行こうぜアンジール!)
(なぁなぁアンジール!この後訓練付き合ってくれよ!めちゃくちゃカッコいい必殺技考えたんだ、俺!)
(アンジール、今に見てろよ、俺、絶対1stになってやるからな!)
(アンジール!)
その過去は全て、どんな場面であろうと、何処を取っても幸せな、まるできらきらと輝く宝物。
例え僅かな時間であっても、二人で紡いで来た、かけがえの無いその日々は。
面白かったな。
楽しかったな。
「―そう思わないか。ザックス、お前も」
本気で笑い合い、時に本気でぶつかり合い、共に過ごしたその日々は。
アンジールは、既にその輪郭を空に融かした掌で、もう一度、ザックスの頬に優しく触れる。
涙の雫が、その掌をすり抜けては落ちてゆき、冷たい土に吸い込まれては消えて行く。そんな、既に無力な己の掌を見つめながら、アンジールは一瞬だけその瞳を閉じると、この世で最期の、けれど最高の笑顔で告げた。
既にこの世の声ではない、誰の耳にも届く事のない心の声で。
「―俺は、幸せだった」
お前に出逢えて、
お前と過ごせて、
お前を守れて、
そしてお前を、この最期の時まで愛して来れて。
「本当に、幸せだった。…心からそう思う」
『人』と言う存在として、この世に生まれる事が出来なかったこの忌むべき『生』も、ザックス。お前がいたから。
どんな時でも、お前が傍に居てくれたから、俺は最期まで、心だけは『人』として終える事が出来たのだ。
「…だから、ザックス」
いつか、この『雨』が止んだなら。
「ずっと、笑っていてくれ」
これから例え、どんな事があっても、
振り向かず、立ち止まらずに。お前の思うまま、ただ前へと。
「…それが、俺の」
お前への、最期の願いだ。
その言葉を最期に、彼の存在が完全にこの世から消え失せた、その時。
不意に、重く掛かっていた筈の雲が切れ、涙に濡れたザックスの頬を優しく照らす。
そして、仰ぎ見た雲間に覗く空から、
「…あ」
白い羽根が。
たった一片の真白い羽根が、ザックスの掌に優しく落ちた。
その羽根を見つめながら、ザックスは無理矢理に笑顔を作る。
「…あんた、ほんとに最期の最期まで―」
優し過ぎるよ。…アンジール。
きっと『言葉』は届いていない。
けれど『心』は、きっと届いた。
その瞬間、互いが同じその一言を、心の中で伝えていたから。
(…ありがとう)
同じ世界の、同じ時の中に今まで共に生きて来られた。
その幸せに。
心からの、感謝を込めて。
■END■